肉をうまいと感じる理由は

ジューシーに焼けた脂のしたたる肉は本当にうまい。うまいと感じるのは、肉に含まれる旨味成分によるものといわれます。旨味成分には、昆布などに含まれるグルタミン酸、椎茸に含まれるグアニル酸、そして動物に含まれるイノシン酸があります。さまざまな食品に含まれるこれらの旨味成分は、タンパク質に含まれるアミノ酸の1種、タンパク質はアミノ酸が結合した物質です。旨味は19世紀以前は、立証されていなかった味覚です。現在では人は舌に旨味を感じる能力があることが、認められているのです。動物タンパクである肉類には、イノシン酸とグルタミン酸の旨味成分が含まれています。この含まれている旨味成分を、うまい、美味しいと舌が感じるのです。主な肉類の旨味含有量は、100gあたり牛が、イノシン酸80mg・グルタミン酸10mg。豚が、イノシン酸230mg・グルタミン酸10mg、鶏が、イノシン酸150~240mg・グルタミン酸20~50mgといわれます。旨味成分は組み合わせることで、美味しさを増すといわれているのです。

また部位や加工によっても美味しさは変わります。骨付きはジューシーで美味しいといわれますが、骨には血液をつくる「髄液」が含まれており、高温で加熱することで骨に空いている穴から髄液が染み出してくるのです。髄液から旨味成分とコラーゲンなどが染み出すことで、本来の美味しさに骨からの旨味を加えられるのです。また骨付きは、骨についたままの引っ張られた状態なので、柔らかく美味しく感じるといわれます。

最近人気の熟成肉は、一定期間寝かせることで旨味成分を増やしているのです。昔から「肉は腐りかけがうまい」と言われていますが本当のことなのです。一般的に食べ物は新鮮さが大切とされています。内臓類には鮮度は重要ですが、生肉に関しては鮮度よりも、ある程度時間が経たもののほうが旨味成分が増し、うまいと感じるのです。熟成の製法は冷蔵庫が無かった時代に、ヨーロッパなどで肉を地下の倉庫や洞窟などの涼しい場所に吊して保存していたのが始まりといわれます。一定の湿度と温度を保ち、乾燥させることで余分な水分を飛ばし、タンパク質やミネラルを凝縮させるのです。旨味成分が増すことで、深い味わいと香りに変わっていくのです。40日間熟成された牛のアミノ酸は、通常の5~6倍に増すといわれます。適切に熟成されたものは、ナッツのような香ばしい香りとほぐれやすいまろやかな口当たりで、柔らかく噛み切りやすく、うまいといわれているのです。
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